2mOaのショップ訪問記

編集部のジュエリーショップ訪問記

大切な思い出を、身につける形にしてつなぎとめてくれるショップ
2mOa(ツーモア)御徒町

お家の中にある、捨てるに捨てられない物。

なんとなく大切にとっておきたくなってしまう、ちょっとした物。

…大好きなあの人からもらったプレゼントの包装箱。旅先で出会った思い出の品。受験のときにもらったお守り。渡しそびれてしまったギフト。家族で乗り回した車。

他の人から見ればただの古びた「ガラクタ」だけれど、あの時の記憶がつづられた、わたしにとってのたったひとつのモノ。

そんな、お金では買えない”記憶のカケラ”を、「何か身につける形」にすることができたら、どんなに素敵なことだろう…。そんな想いでものづくりをしているのが、ジュエリーメイキングユニットの2mOa(ツーモア)。

東京の職人が集う街、御徒町の2k540(ニーケーゴーヨンマル)というスペースにアトリエ&ショップをかまえています。メンバーは3人。企画から制作・販売まで、ほぼすべてが3人で完結しています。作る人の顔と、作る場を見ることができるので、買い手としては嬉しいですね。
上の作品はアルファベットのネックレスチャーム。廃材のパーツなどを選んで加工した、一点モノです。きちんとアルファベットの形をしている訳ではなく、パーツの表情を見て「これはBっぽいな」「この子はOでいこう!」のように、インスピレーションでアルファベットをあてはめているんだそう。なので、単純に心惹かれたチャームを選ぶのもよし、自分の思い入れのある文字を選ぶのもよし、です。 アルファベットをつなげて、言葉のジュエリーにしたのが左下のもの。

(写真左)ことばのリング。「『DIAMOND』と書いてますが、これは本物のダイヤを使っている訳ではありません(笑)。DIAMONDという文字を入れた小さなプレート(左)の形を変えて、こんな風にリングにくっつけた、という意味です。」と2mOaの益子さんが教えてくれました。こちらはサンプルで、好きな言葉でオーダーすれば、作ってくれるそうです。なんだか、自分だけのお守りみたいですね。大切にしている言葉や、大切な人の名前など、なんでも作ってくれるそうです。

(写真右)かおのリング。「道化師」という名前がついていました。無表情に見えますか?笑っているように見えますか?それとも愛想笑いしているように見えますか?見る人の気分によって、表情が変わってきそうですね。

2mOaの作品は、どれも気張らずシンプル。外観的なデコレーション要素はあまり入っていません。自分の外見を華やかに着飾るためのジュエリーというよりはむしろ、「着けた人の心を華やがせるジュエリー」とも言えるでしょう。例えば自分の好きな言葉を込めたリングを身につければ、それに込めた想いや記憶がよみがえり、勇気が湧いてきたり、笑顔がこぼれるようになったり、安らいだ気分になる。「つける」ことで素敵な自分を「つくる」ことができる、そんなジュエリーがここにあります。

こちらは2mOaの結婚指輪。二人のこれからの時間を「つくる」リングです。なんと驚き、あえて変形しやすいように作ってあります。よく結婚指輪だと「丈夫で堅く、傷がつきにくいもの」が選ばれがちですが、2mOaの結婚指輪はその真逆。上半分が変形しにくい18K、下半分が変形しやすい純金(24K)でできており、2~3ヵ月日常使いするだけでも、形が変わってしまうんだとか。


形が変わりやすいと言われると、大切に扱ってあげなきゃ、という意識が働きますね。それでもゆがんだりしてきてしまうと、「ねえ、形変わっちゃった」とお相手に報告なんかして、二人で一喜一憂する時間が生まれるかも。

「このあいだの歪み、自分で手で直したよ」

「そうなんだ。見せて?」

なんて、2人のコミュニケーションが生まれそう。ちなみに、変形した純金の部分は、やわらかすぎて綺麗に元に戻ることは無いそうです。針金と同じ性質ですね。

この四角いリングは、2箇所のつなぎ目のところが純金で、やわらかい素材になっています。一体この形がどう変形するんでしょうね。パタンと折りたたむようになるのか、あるいはズレてかみ合わなくなってしまうのか…。二人のそれぞれのリングの形が出来上がり、そのキズや変形ひとつひとつにエピソードがつまって、愛着になるのです。

このリングは、円の上に乗っかっている金が純金になっています。ぴったりは接着されておらず、ところどころ留めているので、純金の部分が簡単に動きます。二人が共に過ごした時間を、リングの形が物語ることになります。5年後、10年後、どんな形になっているんでしょうね。

ちなみに、リングが切れてしまった場合はお店に持っていけば何回でも接着してくれるそうです。ただ、きれいさっぱり元通りにはならず、接着した跡が残ります。ですのでこれもまた、ヒヤヒヤしたという思い出の印として、リングに刻まれるのです。

お店中央にあるカウンターを隔てて、奥は作業場になっています。本当に「その場」で直してくれます。

最後にひとつ、結婚指輪よりもカジュアルな「思い出のカタチ」をご紹介しましょう。いただきもののクッキーの缶、海苔の缶、お茶の缶、海外の旅先で飲んだジュースの缶などなど、自分が好きな缶を身につける、という提案です。

形は、缶バッチ、ペンダント、ピンブローチ、ピアス、イヤリング、指輪とお好みのアクセサリーに仕立ててくれます。それぞれ、何の缶だかわかりますか?Mary’sクッキーやモロゾフ、紅茶、コーヒー、中には蚊取り線香のキンチョーまであります。見慣れている缶も、切り取るところ次第で、意外に絵になるものです。

同じ缶を誰かとお揃いでアクセサリーにしても良いですし、あの人の好きなお菓子の缶で作って、本人にプレゼントするのも素敵ですね。もちろん、店頭に並んでいるものから好きなのをお持ち帰りすることもできます。

「ジュエリーは、別に宝石である必要はない」と2mOaの森山さんは言います。「自分の目に見えない大切なものこそに価値があって、それを形にして身につけてしまえば、それもジュエリー。ご自分の思い出の小物を持ち込んで、身につけるものに加工してほしいと言うお客様もいます。無茶ぶりオーダーも大歓迎です!」とのこと。見る人の心が動き、感性が揺さぶられる、そんな作品がたくさん眠っていました。

  • ■2mOa(ツーモア)
  • 東京都台東区上野5-9-20 2k540 AKI-OKA ARTISAN M-2
  • JR御徒町駅徒歩4分、JR秋葉原駅徒歩6分、銀座線 末広町駅徒歩3分
  • Open 11:00-19:00
  • 定休日 水曜日、第二火曜日 (祝日は営業)
  • http://www.2moa.com/