結婚指輪のはじまりと由来、言い伝え

いにしえに伝わる結婚指輪のいいつたえも紹介

結婚指輪のはじまり

長い指輪の歴史の上でも外せない、愛する二人の結婚の証である結婚指輪。そのはじまりはいつだったの? どんな風に贈られたの? 知られざる遠い昔のエピソード

結婚指輪は9世紀のローマからはじまった

結婚指輪をはじめて結婚の証拠としたのは、9世紀のローマ教皇ニコラウス1世。それからずっと現在に至るまで、世界中でこの習慣が伝わり続けています。

1027年には「そこでは、花婿は花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に鉄の指輪を交換している」(ミュール『ローマの結婚指輪の起源』)との記録が残っています。13世紀にはヨーロッパ各地で結婚指輪を交換する風習が一般化されます。そのころ制作された結婚に関する木版画や法律書の挿絵では、くっきりと、結婚指輪を交換するシーンが描かれているのが象徴的です。

指輪を護符としていたドイツに伝わる、指輪にまつわる迷信

結婚指輪には、たくさんの言い伝えやエピソードがあります。ここでは主にドイツに伝わる迷信・俗信をいくつかご紹介します。

「指輪交換の際に、花婿が花嫁の第二関節越しに結婚指輪を一気に通すことができれば『亭主関白』になり、ひっかかれば『かかあ天下』になるという。そのために花嫁は、指輪をはめてもらうときに、意図的に指を曲げることもあった」 
「花嫁は一生涯、結婚指輪をはずしてはならなかった。そうでないと、辛いことや不和が家庭内に入り込み、夫の愛が冷めるであろう」「結婚指輪はお守りであって、お産が近づくと産婦は指輪をはめ、もしも難産のときには、義母に彼女の結婚指輪をはめてもらうとよい。産褥期(出産後の6、8週間)には、金の指輪を黒い糸に通して40日間、首から吊るした」

その昔、結婚指輪は、愛の証としてだけではなく、呪術的的な意味も含まれていたということがわかりますね。

この世に指輪というものが生まれた瞬間は!?

結婚指輪は、指輪の歴史で見ると比較的新しいもの。そもそもの指輪のはじまりについては、古いギリシャの伝説の中で触れられています。

“プロメテウスが天上界の燃える火を盗み、地上に逃れようとしたところをジュピター神に見つけられ、その刑罰のために3万年の間、コーカサスの岩につながれた。鷹に肝を食われながらも生命を永らえたが、ようやくにして神の怒りがとけ、罪を許されたとき、岩片を結びつけた鉄の輪を指にはめられた。これが指輪の起源であると伝えられている”(『舶来事物起源事典』富田仁著/名著普及会)

太古の昔、ギリシャから指輪というものが存在を現しました。
それから指輪は長い長い歴史をたどり、世界中に広まっていったのです。

参考文献:『指輪の文化史』浜本隆志著/白水社
『舶来事物起源事典』富田仁著/名著普及会